「永住者ビザ」在留資格取消について

出入国管理及び難民認定法の一部改正に伴い、永住許可制度の適正化という名目のもと「永住者ビザ」在留資格取消という制度が国会において審議され成立しました。

そもそも「永住者ビザ」の在留資格取消が審議されているのかというと、「永住者」は、永住許可後に在留期間の更新といった在留審査の手続がないため、一部の外国人の方の場合ですが、永住許可を受けた後、手のひら返しのごとく、支払うことができるにも関わらず、あえて公租公課の支払をしないといった、悪質な永住許可制度の趣旨に反するような事例が起きているのだからだそうです。

次のような事由があった場合「永住者ビザ」の在留資格取消をすることができるとなりました。

  1. 入管法に規定する義務を遵守しないこと
  2. 故意に公租公課の支払をしないこと
  3. 入管法に規定する刑罰法令違反

1 入管法に規定する義務を遵守しないこと

どのようなことが「入管法に規定する義務を遵守しないこと」というと、入管法が規定する永住者が遵守すべき義務で、退去強制事由として規定されている義務ではないが、義務の遵守が罰則により担保されているものについて、正当な理由なく履行しない場合です。

あくまでも悪質な場合を想定しているのであり、たいていの「永住者」を対象としているのではないのだそうです。

2 故意に公租公課の支払をしないこと

「公租公課」とは、租税のほか、社会保険料などの公的負担金のことです。

「故意に公租公課の支払をしないこと」とは、支払義務があることを認識しているにもかかわらず、支払い義務があると知っていてあえて支払をしない場合です。

3 入管法に規定する刑罰法令違反

具体的には、次のような処罰です。

  • 窃盗
  • 住居侵入
  • 傷害
  • 詐欺
  • 恐喝
  • 殺人
  • 危険運転致死

上記のような一定の重大な刑罰法令違反に限られています。

いずれの場合も故意犯を対象としています。

したがって、交通事故を起こして過失運転致死傷の罪で処罰された場合は、対象とはなりません。

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