【永住審査・新基準】「厚生年金30年相当」の要件とは?外国人にとって一番厳しい3つの理由

永住許可のガイドライン改定案の中で、多くの方が疑問に思われているのが「年金の受給見込み額が、厚生年金に30年加入していた水準に達すること」という新しいルールです。

少し専門的でわかりにくい表現ですよね。
一言でいうと、これは「将来おじいさん・おばあさんになった時に、生活保護に頼らず、自分の年金だけでしっかり生活できるだけの見込み額があるか?」を問うものです。

この新しい要件が意味する具体的なポイントを、分かりやすく3つに分けて解説します。

① 求められる具体的な「金額の目安」

日本の年金制度において、平均的な給与水準で「厚生年金に30年間」加入し続けた場合、将来受け取れる年金額(基礎年金+厚生年金)は、ざっくり月に10万円〜十数万円程度が目安となります。

今回の改定案は、「あなたが将来年金をもらう年齢になったとき、最低でもこの金額に達する見込みがありますか?」ということを求めています。

② 「国民年金」だけでは要件を満たせなくなる

この基準が導入されると、自営業者やフリーランス、あるいは会社の社会保険に加入していない人が加入する「国民年金」のみの方々は、事実上永住が不可能になります。

なぜなら、国民年金は40年間フルで払い続けても、もらえる金額は月に約6万8千円(満額)だからです。これでは「厚生年金30年相当」の金額には到底届きません。

永住権を取得するためには、会社員などが加入する「厚生年金」に加入していることが大前提となります。

③ 加入期間が短い人は「かなりの高収入」が必要になる

ここが外国人の方にとって一番厳しいポイントです。

厚生年金でもらえる金額は、「働いていた時の平均給与」×「加入していた期間」で決まります。

日本人は20歳から働き始めて30年加入することが容易ですが、外国人の方は20代後半や30代で来日するケースが多く、「30年」という期間を物理的に満たせないことが多々あります。

もし加入期間が15年や20年しかない場合、30年加入した人と同じ「受給額」に到達するためには、加入している期間中の給与が日本人平均よりも相当に高くなければ計算が合いません。

まとめ:審査の視点が「過去」から「未来」へ

これまでの永住審査では、「今現在、年金を滞納せずに払っているか」という「過去の支払い実績」だけが審査されていました。

しかし、この「厚生年金30年相当」という新基準が意味するのは、過去の未納がないのは当たり前とした上で、「将来の老後の経済的な自立(日本国の財政の負担にならないこと)」までを厳格に計算して審査するということです。

これは、永住審査における非常に大きな方向転換だと言えます。

(※ただし、年金の見込み額が不足する場合でも、十分な「預貯金などの金融資産」があれば補填できる救済措置も検討されています)

将来の永住申請に向けてご不安な点がある方は、ぜひお早めに行政書士へご相談ください。